今回は今話題の超軽量ドローン「HoverAIR X1 Smart」を提供いただいたので、
果たして映像に活躍するのか検証したいと思います。
動画でも紹介しています。
HoverAIRX1Smartのいいところ
規制対象外の重量
HoverAIRX1Smartの魅力は何と言っても99gであること。
日本の法律において99gであることは、ドローン撮影の敷居を下げてくれます。
機体登録や飛行計画の提出などの手間がかからないのは大きなメリットと言えると思います。
高い飛行性能
そしてこのコンパクトなモデルでありながら、追従性能の高さにも驚きました。
自撮り用として設計されているので、ワンアクションで簡単に空撮が可能です。
ジャスチャーでの操作も可能で、
撮影後、手のひらに戻って来るこの仕様は、かなり愛嬌があってかわいく見えました。
音声収録可能
そしてドローンには珍しく音声も同時に撮る事できます。
この操作しているスマートフォンで音声を収録出来るシステムはなかなか画期的だと思います。
ドローンのプロペラノイズもうまく処理されているのが驚きでした。
外部マイクも接続可能
こうなるとiPhoneに外部マイクをつけてみたくなります。
実際に、ワイヤレスマイクを取り付け収録してみました。
外部マイクでも使えるようなので、これはまた他の使い道もありそうです。
ドローンでの撮影で、音声を撮りたいシーンは少ないかもしれませんが、
2台以上のカメラで同時撮影する場合、音声データが残っている方が、
映像の同期が取りやすいので、これはあると便利な機能だと思います。
接続の安定性
無線接続機器で不便に感じるのが、接続安定しないことあると思います。
このHoverAIRX1Smart、かなり接続が速く、データー転送時も接続が切れることが少なくかなり安定していたのは、メーカーの技術の高さを感じました。
必要十分な飛行時間を可能にするバッテリーセット
機体が小型なため飛行時間は最大10分と短いように感じますが、
動画制作の場合、だいたい1クリップあたり30秒も撮れたら十分なので、撮影開始位置までの飛行時間も考えても5,6カットは十分に撮れると思います。
オールインワンセット場合、予備バッテリーが2本付属するので、それだけでも15カットは余裕で撮れる計算になります。
さらに画期的なのがこの充電器がバッテリー内蔵なので、出先でも充電可能になっています。
バッテリー容量は5000mAhで2.5回分あるようです。
体感的には残り1目盛りになったバッテリーをセットすると30−40分ぐらいで満充電されていました。
空撮の映像を多く使うシーンでなければ1日の撮影に十分なバッテリー容量だと思います。
画質はどうなの?
画質比較
映像好きとしては気になるのが画質、この機体は最大2.7K30pでの撮影が可能です。
それぞれの映像をスクショしたもので見比べてみたいと思います。
【2.7K30p】
【1080 30pHDR】
【1080p】
見比べてみると、1080pのものより2.7kのほうが解像感が高いことはわかります。
1080pHDRと比べると違いは大きくありませんが細部のディテールはやはり2.7Kのほうが高いことがわかります。
(個人的には1080pHDRが解像感は劣るものの、彩度が抑えられているので、なじませやすく感じます)
他のカメラと合わせやすいか?
HoverAIRX1Smartの画質はわかりましたが、映像を作るうえで気になるのが、他のカメラとの画質バランス。
今回はiPhone、コンデジ(Zv-1)、ミラーレスカメラそれぞれの素材と合わせて見比べてみたいと思います。
感覚としてはアクションカメラ系の画質と近いので、
スマホやアクションカメラといっしょに混ぜて映像にすればちょうど良さそうな感じがします。
逆にミラーレスカメラの映像で作る作品の場合は画質の差が気になることがあるかもしれません。
より高画質にするために編集時にノイズ処理やアップスケール、色の調整をしたものがこちら。
調整していないHoverAIRの画質よりは、少し良くなったとはおもいますが、
差を埋めるには厳しいかもしれません。
高解像度化を考えるより、カラー調整を少しフィルムっぽい雰囲気に調整をするほうが、なじませやすいような感じもしました。
飛行距離は十分か?
次に気になるのが飛行距離。
HoverAIRX1Smartは15mまで飛ばすと制限がかかってしまいます。
スペックだけ見ると少し近すぎる気もしますが、実際はこのぐらい離れて撮影が可能なので
かなり広大な景色を撮るなどの場合を除いては実用性のある距離だと思いました。
むしろ離れすぎないので安心感は高いかもしれません。
「最大水平距離で撮影」
「最大高度で撮影」
マニュアルでの操作は可能?
AIによる自動追尾がメインの機能だと思いますが、
映像を撮るうえで特に人物の追従が必要でないシーンは多いと思います。
その場合は手動での操作がしたくなりますが、この機体は手動での操作も可能です。
手動操作をすることで人を超えて行くような撮影ができたり、
撮りたい定点まで移動したうえで、そこから撮影を開始することができます。
自撮り撮影の場合、一旦定位置にカメラを設置して、離れて撮影。
カメラの回収という動作が必要ですが、
HoverAIRX1Smartを使えば自分はその場にいながらカメラだけを好きな場所に簡単に移動することができます。
まさに専属カメラマン。これはかなり撮影の効率が上がると思います。
ボタンを複数押すことで、斜めの動きも可能ですが少し使いにくいので、
手動操作の場合は、専用コントローラーを使ったほうがいいかもしれません。
データ取り込みの課題
HoverAIRX1Smartで撮影したデータを取り込むには、
スマートフォンにWiFi経由で送るまたは、パソコンとUSB接続して取り込む方法があります。
約1分ほどの2.7Kの動画をスマホへの転送のするには約2分かかりました。
同じ動画をUSBーC接続してパソコンに取り込んだ場合、約6秒
基本的にUSB接続でのデータ転送が主になると思いますが、
音声データも動画に入れたい場合、
スマホの中に保存されている音声と組み合わせる工程が必要になるため、
必ずスマホへの転送が必須になります。
音声を使いたい場合、ここは少し手間がかかる部分だとおもいます。
ただ接続は比較的安定しているので、とりあえず繋いで放置しておけば勝手にダウンロードされるのでそこまで時間さえあれば大きな問題ではないかもしれません。
usb-c対応のスマホのだと有線接続で快適にデータ転送が出来るのかもしれません。
次機種に期待するところ
ここからは、実際に使ってみてアップデートを期待したい部分をまとめてみたいと思います。
マイクのノイズ除去
ドローンに珍しいマイク機能ですが、全ての音声データにノイズ除去が施される仕様になるため、必要な環境音が入らないことがあります。
音声は他の機材で別撮りしていればいい話ではありますが、ここはノイズキャンセルのオンオフが出来るともっと使用用途が広がる気がしました。
マニュアル操作の感度調整
手動での操作で気になったのが、コントローラーの操作速度の調整がしにくいところ。
バーチャルボタンなので仕方がないところではありますが、
特にカメラのチルトの動きが、機体の動きより早く、機体を上昇しながらチルトアップしたりその逆の動きをつけたい場合に動きが合わないことがありました。
ここは3段階ぐらいでもいいので速度変化がつけられる仕様になっていればもっと滑らかな映像が取りやすくなるとおもいます。
カメラの画質向上
やはり最後に期待したいのが、カメラの画質。
この大きさと価格を考えると求めすぎだとは思いますが、映像好きとしては、やはり少し物足りない画質だったのでもう少し画質の高いカメラが搭載されるとかなり使えるドローンになるとおもいました。
画質を求める場合、より本格的なドローンを買えばいいだけではありますが、ここまでの完成度の高いHoverAIRX1Smartを触ってしまうと、つい欲が出てきてしまいます。
ということで今回はHoverAIRX1Smartをご紹介しました。
正直99gの機体でここまで撮影が出来るのは驚きでした。
また、機体全面がカバーで覆われており、安全性も比較的高いので
通常のドローンでは飛ばしにくいような環境でも使うことが出来るとおもいます。
2台目のドローンや撮影のちょっとした飛び道具的に忍ばせておいてもいい機材になるとおもいます。