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100円の虫眼鏡で撮った写真、見てみませんか?


いきなりですが、これ全部「100円ショップの虫眼鏡」で撮った写真なんです。
意外すぎる組み合わせですが、実はけっこう本格的な“描写遊び”ができてしまいました。
レンズを自作したくなった理由

以前、「写ルンです」のプラスチックレンズを使って、スナップ用のオリジナルレンズを作ったことがありました。
そのときに感じた「自分でレンズを作るおもしろさ」がずっと頭に残っていて…。
そんなとき、100円ショップで「4倍の虫眼鏡」を見つけたんです。見た瞬間にひらめきました。

──これ、レンズに使えるんじゃない?
どうやって作った?設計と製作のポイント

今回使ったのは、100円ショップで買った虫眼鏡から取り出したレンズ1枚だけ。
以前「L‑snap」を作ったときのマウント設計を流用して、Lマウントに装着できる仕様にしています。
さらに、ピント調整はスライド式に変更。

レンズ筒を前後にスライドさせるだけでピントが合うようにしました。
- ネジ式よりシンプルな構造で、動きも軽い
- 回転防止の突起(キー)でピント調整がスムーズに
- ストッパー未搭載のため、今後の改善余地あり

そして写りの調整用に、レンズ後部に絞り板を差し替えられる構造も追加。

- 絞りサイズは直径20mm、15mm、10mmの3種類
- 描写の変化が分かりやすく、実験としても面白い
作例で検証!描写の違いをチェック
では、実際に撮影した写真をもとに、絞りによる描写の違いを見ていきましょう。
開放(絞りなし)
まるで強いミストフィルターをかけたような柔らかい描写。
ピント面も曖昧で、幻想的な雰囲気です。

20mm絞り
ぐっと像がしっかりしてきます。
実用的に使いたいならこのあたりがバランスよく感じました。

15mm絞り
ピント面はシャープに、背景のボケも自然。シャープさと“虫眼鏡らしさ”のバランスが絶妙です。

10mm絞り
かなりクッキリした写りに。普通のレンズのような安定感がありますが、そのぶん個性はやや控えめかも。

純正レンズと比較してみた

虫眼鏡レンズの画角はおおよそ100mm。
ということで、手持ちのズームレンズを100mmに合わせて、同じシーンを撮影してみました。

純正レンズのほうが、当然ながら解像感もコントラストも段違い。でも、虫眼鏡レンズには独特の柔らかさやにじみ感があって、これはこれで唯一無二。

クオリティを求めるというより、「偶然の面白さ」を楽しむ一本──そんな立ち位置のレンズだと感じました。
まとめ:100円でここまで遊べる!

というわけで、100円の虫眼鏡と3Dプリントで、意外と面白いレンズが完成しました。
絞りを変えるだけで描写がガラッと変わるのも新鮮で、自作だからこそ“絞りって大事なんだな”と体感できたのも良い収穫です。
次は複数枚のレンズを組み合わせて、もう少し本格的な構成にも挑戦してみたいですね。