長時間録画でも止まらないカメラ。それがLUMIX GH7だと認識していました。ところが、実際に長時間の連続収録を試してみると、カード容量に余裕があるにもかかわらず、途中で録画が停止してしまいました。設定や記録メディアを切り分けて検証した結果、今回のトラブルはCFexpressカードに関係している可能性が高いことが分かりました。

この記事では、NEXTORAGEとProGradeのCFexpressカードを使った比較テストと、GH7・S9の長時間録画テストの結果を紹介します。

レビュー動画はこちら

1. GH7で長時間録画を試した理由

今回、GH7の長時間録画を検証することにしたのは、近々予定している撮影の仕事で使用するためです。

想定している収録時間は、ノーカットで撮影した場合でも最大3時間半ほど。

普段は256GBの記録メディアを使用していますが、実際の撮影で使用する容量は100GB未満に収まることが多く、カード容量の限界近くまで連続収録した経験はほとんどありませんでした。

そのため、本番でトラブルが発生しないよう、事前に長時間録画の安定性を確認することにしました。

今回の検証目的

  • 最大3時間半程度の連続収録ができるか
  • CFexpress Type BとSDカードの同時記録で安定するか
  • 記録メディアによって結果に違いが出るか

2. NEXTORAGEのCFexpressカードで録画が途中停止

今回の撮影では、バックアップも兼ねてCFexpress Type BとSDカードへのデュアルスロット同時記録を使用する予定です。

そこで、実際の撮影と同じ構成でテストしました。

使用した記録メディアと電源

  • CFexpress Type B:NEXTORAGE NX-B2SE 256GB
  • SDカード:SUNEAST V60 256GB
  • 電源:本体バッテリーを装着し、VマウントバッテリーからUSB給電

 

1回目は2時間33分、2回目は約1時間10分で停止

最初のテストでは、2時間33分で録画が停止しました。

カード容量にはまだ余裕があるはずでしたが、途中で録画が終了してしまいました。

念のためカードをフォーマットし、同じ条件でもう一度テストしたところ、今度は約1時間10分で停止。

2回ともカード容量を使い切る前に録画が止まるという結果になりました。

S5IIでは容量いっぱいまで録画できた

比較のため、LUMIX S5IIでも長時間録画を試しました。

こちらは128GBのSDカード2枚を使用したデュアル記録です。

結果は1時間51分。どちらのカードも容量をほぼ使い切るところまで問題なく収録できました。

S5IIでは正常に録画できた一方、GH7では途中で停止するため、ここから原因を切り分けていきます。

3. GH7の設定と記録メディアを切り分ける

記録停止温度とファン設定を確認

最初に確認したのは、GH7本体の設定です。

テスト時の設定は以下のとおりでした。

  • 動画記録停止温度:高
  • ファン設定:AUTO2

設定を確認した限りでは、明らかに問題と思われる部分は見当たりませんでした。

SDカードだけなら3時間55分の連続収録に成功

そこで、CFexpressカードを使用せず、SDカード単独で長時間録画を試しました。

その結果、1クリップ目が3時間4分、続く2クリップ目が51分。

GH7・SDカード単独記録

合計3時間55分

カード容量いっぱいまで収録成功

途中でクリップは分かれていますが、録画は継続しており、カード容量いっぱいまで問題なく記録できました。

この結果から、少なくともGH7本体が3時間程度の連続録画で必ず停止するわけではないことが分かります。

そうなると、疑わしいのはCFexpressカードです。

4. ProGrade GOLD 1700Rで再検証

少し気になるのが、最初に使用したNEXTORAGE NX-B2SEです。

このカードは、Panasonic公式の動作確認表にも掲載されているモデルでした。

それでも今回のテストでは録画が途中で停止したため、別のCFexpressカードで比較することにしました。

ProGrade GOLD 1700R 256GBを追加購入

比較用に用意したのは、ProGrade GOLD 1700R 256GBです。

こちらもPanasonic公式の動作確認表に掲載されているカードです。

同じくSDカードとのデュアル記録で長時間録画を試したところ、1クリップ目が3時間4分、続く2クリップ目が52分。

合計3時間56分、カード容量いっぱいまで録画できました。

GH7の長時間録画テスト結果まとめ

今回のテスト結果を整理すると、以下のようになります。

記録方法収録時間結果
NEXTORAGE+SD(1回目)2時間33分途中停止
NEXTORAGE+SD(2回目)約1時間10分途中停止
SDカード単独3時間55分容量上限まで成功
ProGrade+SD3時間56分容量上限まで成功

長時間収録では記録メディアの選定も重要

今回の検証では、SDカード単独とProGradeを使用したデュアル記録で、どちらも約4時間の収録ができました。

一方、NEXTORAGEでは2回とも途中で録画が停止しています。

この結果から、今回のトラブルにはNEXTORAGEのCFexpressカードが関係している可能性が高いと考えています。

ただし、カード自体の個体不良なのか、GH7との組み合わせによる問題なのか、それ以外の要因なのかまでは特定できていません。

また、NEXTORAGEのカードも、これまで普段の撮影では特に問題なく使用できていました。

そのため、今後は長時間収録にはProGrade GOLD 1700Rを使用し、NEXTORAGEは通常撮影や予備のメディアとして運用する予定です。

今回の検証で感じたこと

長時間録画では、カメラ本体の性能や設定だけでなく、使用する記録メディアとの組み合わせも重要です。特に仕事で長時間の連続収録をする場合は、実際に使用するカードと録画設定で事前テストしておくと安心できます。

5. おまけ:GH7のバッテリーとS9の長時間録画も検証

今回の撮影本番に向けて、記録メディア以外にもいくつかテストしました。

GH7のバッテリー駆動時間は1時間13分

まずはGH7のバッテリー駆動時間です。

手持ちの中で最も古いバッテリーを使用して連続撮影したところ、1時間13分収録できました。

実際の撮影では、数十秒単位のカットを積み重ねていくことも多いため、今回の結果を見る限り、1時間程度の運用は十分期待できそうです。

本番では余裕を持たせて、1時間に1回程度のバッテリー交換を想定しています。

S9は外付けファンを使って5時間52分の収録に成功

続いて、LUMIX S9の長時間録画テストです。

S9については以前にも検証しましたが、その際は社外品のダミーバッテリーを使用していました。

今回は以下の構成でテストしています。

  • Panasonic純正ダミーバッテリー
  • Vマウントバッテリー
  • 外付けファン
  • 記録設定:3.8K MP4 Lite

結果は、1クリップ目が3時間4分、2クリップ目が2時間48分。

LUMIX S9・外付けファン使用

合計5時間52分

3.8K MP4 Liteで収録

一方、同じ純正ダミーバッテリーを使用しても、外付けファンなしでは約1時間で録画が停止しています。

この結果から、今回の条件では外付けファンの有無によって、長時間録画の結果に大きな差が出ました。

ただし、S9自体は長時間収録を前提としたカメラではありません。

今回のテストでは長時間撮影できましたが、常に同じ結果が得られるとは限らないため、無理に長時間の連続収録を繰り返すような運用は避けたいところです。

まとめ:長時間録画をするなら本番と同じ構成で事前テストを

今回、GH7の長時間録画を検証したことで、記録メディアによって収録結果に大きな差が出ることが分かりました。

GH7本体やNEXTORAGEの製品全般に問題があると断定できるものではありませんが、少なくとも今回使用したカードと環境では、ProGradeの方が安定した結果となっています。

仕事で長時間録画をする場合は、カメラのスペックだけを頼りにせず、実際の撮影と同じ機材構成でテストしておくことが大切です。

今回の検証結果が、GH7やS9で長時間撮影を予定している方の参考になれば幸いです。