この内容は動画でも紹介しています。実際の検証映像や音の違いが気になる方は、動画とあわせてチェックしてみてください。

前編のおさらいと、後編で検証すること

前編では、スマホとミラーレス一眼を使って水槽を撮り比べ、三脚の有り無しや、カメラの基本的な設定について紹介しました。

https://otnlife.com/aquarium‐photograph1

「スマホでも十分きれいに撮れるけど、カメラを使えば、もう一段きれいな映像で残す楽しさがある」――
そんなところまでが前編の内容でした。

後編では、撮影していて前から気になっていたポイントを、実際にいろいろ試しながら検証していきます。

  • 水槽の音をきれいに録るには、どんなマイクがいいのか
  • 水槽用ライトと撮影用ライト、どちらが自然に見えるのか
  • 魚にピントを合わせるならAFかMFか
  • 水槽撮影に向いているカメラの考え方

前編より少しマニアックになりますが、実際に試してみて気づいたことが多かったので、順番に見ていきます。

音の録音|マイク5種類を聴き比べてみる

アクアリウムの撮影では、映像に比べて「音」はあまり意識されないかもしれません。

でも個人的には、水の流れる音や、ポタポタと落ちる水音まで含めて、
雰囲気の一部として残したいと思っています。

そこで今回は、以下の5種類のマイクで同じ条件で録音してみました。

  • iPhoneの内蔵マイク
  • ミラーレス一眼の内蔵マイク
  • ワイヤレスマイク
  • 小型の外部マイク(動画用)
  • ショットガンマイク(本格的な撮影用)

内蔵マイク同士で比べると、意外にもiPhoneの音が一番クリアに感じました。

水槽に近づけやすい分、周囲の環境音を拾いにくいのが理由だと思います。

一方で、外部マイクやショットガンマイクは、水音をピンポイントで拾ってくれて、
水が滴る細かなニュアンスまでしっかり録れていました。

結論としては、音にこだわるならマイクは別で用意したほうがいい
特にワイヤレスマイクとショットガンマイクは、自然で立体感があり、個人的にも好みでした。

ただし、ワイヤレスマイクを水槽ライトの上に置くとノイズを拾うことがあったので、
水槽から少し離して設置するのがおすすめです。

音が整うと、映像の印象は驚くほど変わります。
実は「見やすい映像」って、画のきれいさ以上に聞きやすい音が効いていると感じています。

照明|水槽用ライトと撮影用ライトを比べてみた

次に検証したのが照明です。

アクアリウム用ライトは、実は演色性がかなり高いものが多く
うちで使っている水槽ライトはRa85

一方、映像制作で使われる撮影用ライトは、Ra95以上が一般的です。

「だったら撮影用ライトのほうが、もっときれいに撮れるんじゃないか?」
そう思って撮り比べてみたんですが、結果は予想と違いました

撮影用ライトのほうが、思ったよりきれいに見えなかったんです。

あとから気づいた原因は色温度でした

映像制作の感覚だと「自然光っぽい=5600K」が基準になりがちですが、
水草育成用のライトは7000K以上の青白い光が主流なことが多い。

つまり、撮影用ライトを使う場合も、水槽ライトに近い色温度まで上げてあげないと、
違和感が出やすいということです。

 

次に試したのが光を当てる向き

映像制作では、サイド光や半逆光を使うことも多いですが、
水槽で同じことをやってみると、魚や水草の色が沈んでしまいました。

ここで気づいたのが、陸上と水中では光の入り方がまったく違うということ。

水中では太陽光は基本的に上からしか入りません。
そう考えると、水族館の照明が青っぽいトップライト中心なのも納得です。

水槽撮影では、無理に映像用のライティングを真似するより、
水槽本来の光環境を活かすほうが自然に見えると感じました。

フォーカス設定|魚にピントを合わせるならAF?MF?

水槽撮影で、個人的にいちばん難しく感じたのがピント合わせです。

特にテトラのような小さくて動きの速い魚は、
オートフォーカスではなかなか追いきれません

AF自体はしっかり動いてくれるんですが、
ピントが水草や背景に抜けてしまうことが多く、
「今ここに合わせたい」という意図どおりにはいかない場面がありました。

そこで試したのがマニュアルフォーカス

ピントをあらかじめ自分の狙いたい位置に固定しておくと、
魚がその範囲に入った瞬間を狙う、という撮り方ができます。

ピントの合う範囲は、前編で触れたF値で調整すればOK。

小さくて速い被写体ほど、
AFよりMFのほうが結果的に安定することも多いと感じました。

派手さはありませんが、この「ピントの安定感」が、
映像全体の印象をかなり引き締めてくれます。

水槽撮影におすすめなカメラの考え方

今回いろいろ検証してみて感じたのは、
水槽撮影では、背景がボケすぎないほうが扱いやすいということでした。

そこで個人的におすすめしたいのが、
マイクロフォーサーズセンサーを搭載したカメラです。

今回の撮影では、LUMIXのGH6を使用しています。

マイクロフォーサーズは、フルサイズと比べてセンサーが小さいぶん、
ピントが合う範囲が広くなりやすいという特徴があります。

魚のように動きのある被写体でも、
ピントが外れにくいのは大きなメリットです。

最近はフルサイズが主流ですが、
水槽撮影という用途に限って言えば、
マイクロフォーサーズはかなり相性がいいと感じました。

価格面でも、ボディやレンズが比較的手頃で、
中古の選択肢も多く、環境を整えやすいのも魅力です。

後編まとめ|水槽撮影は「環境」を整えると一気に楽しくなる

後編では、音・照明・ピントという、
画質以外の部分を中心に検証してきました。

  • 音は映像の印象を大きく左右する
  • 照明は無理に足さず、水槽本来の光を活かす
  • ピントはAFにこだわらず、MF固定も有効
  • 水槽撮影にはマイクロフォーサーズも相性がいい

 

水槽撮影は、カメラの性能だけで決まるものではなく、
音や光、ピントといった「環境づくり」で、
映像の気持ちよさが大きく変わると感じました。

前編・後編を通して、
「自分の水槽も、もう少しきれいに残してみようかな」
と思ってもらえたら嬉しいです。