※この記事はFIFIN様より機材提供を受けて執筆しています。

FIFINE K688は、USBとXLRの両方に対応したダイナミックマイクです。
PCへ直接USB接続して手軽に使える一方、XLR接続ではオーディオインターフェースやプリアンプと組み合わせた収録にも対応します。

今回はK688を実際に使用し、普段ナレーション収録で使っているFIFINE TANK3と音質や出力ゲインを比較しました。
USB、XLR、プリアンプを使ったXLR接続まで複数の条件で録り比べています。

また、iPhoneへのUSB接続も試しているので、K688を音声収録用マイクとして検討している方は参考にしてください。

FIFINE K688とは

FIFINE K688は、2022年8月に登場したUSB/XLR両対応のダイナミックマイクです。

発売から数年が経過していますが、現在も販売されているFIFINEの定番モデルのひとつ。

USBマイクとして簡単に使い始められ、必要になればXLR環境へ移行できる点が大きな特徴です。

 

K688の主なスペック

項目仕様
マイク方式ダイナミック
指向性カーディオイド
接続USB / XLR
周波数特性50Hz〜16kHz
感度-50±3dBV
最大SPL130dB
S/N比80dB以上
ヘッドホン端子3.5mm
モニタリング対応
ミュート対応(USB接続時)
マイクゲイン調整対応(USB接続時)

USBとXLRの両方に対応

K688の大きな特徴が、USBとXLRの両方を利用できることです。

USB接続ならPCへ直接つなぐだけで使用できるため、別途オーディオインターフェースを用意する必要がありません。

USB接続時には、マイク本体からゲイン調整、ミュート、ヘッドホン音量調整、リアルタイムモニタリングなども利用できます。

一方でXLR接続にも対応しているため、オーディオインターフェースやミキサー、プリアンプなどを使った収録環境にも組み込めます。

最初はUSBで手軽に使い、必要に応じてXLR環境へ移行できるのはK688の扱いやすいポイントです。

 

注意点
マイク本体のゲイン調整やミュートなど、一部の操作はUSB接続時に使用する機能です。
XLR接続では接続先のオーディオインターフェースなどでゲインを調整します。

ダイナミックマイク+カーディオイド

K688はダイナミック方式を採用し、指向性は正面方向を中心に音を拾うカーディオイドです。

自宅のように完全な防音・吸音環境を用意できない場所でも使いやすく、配信やナレーション、ポッドキャストなど声を中心に録音したい用途と相性の良い構成になっています。

最大SPLは130dB。
声を近距離から収録するダイナミックマイクらしい使い方にも対応しやすいスペックです。

ショックマウントと風防を標準装備

K688にはショックマウントが最初から取り付けられています。

机やマイクアームから伝わる振動を抑えられるため、別途ショックマウントを用意しなくてもそのまま収録環境を作りやすくなっています。

さらにマイク前面には風防も装着されています。

一般的なスポンジ素材を想像していましたが、実物はスウェードのような質感で、本体との一体感があります。

いかにも後からスポンジを被せたような見た目ではなく、デザインの一部としてまとまっている印象です。

K688の見た目と質感

最初に見たときの印象は、S〇〇○E M◯7を思わせるようなデザインでした。

全体的にシンプルでまとまりが良く、個人的にはかなりかっこいいと感じます。

本体には金属が使われており、価格帯を考えても安っぽさはそれほどありません。

ショックマウントや風防も含めてひとつのデザインとしてまとまっているため、マイクアームへ取り付けた状態でもすっきりしています。

iPhoneにもUSB接続できた

K688をiPhoneにもUSB接続して試してみました。

今回使用した環境では問題なくマイクとして認識され、音声を収録できました。

PCだけでなくiPhoneでも使えるため、スマートフォンをレコーダー代わりにして音声だけを収録するといった使い方もできます。

PCを立ち上げなくても収録できるので、用途によってはかなり手軽です。

FIFINE K688とTANK3を比較

ここからは、普段ナレーション収録で使用しているFIFINE TANK3とK688を比較します。

同じFIFINEのUSB/XLR対応ダイナミックマイクですが、実際に録り比べてみると音の方向性にはかなり違いがありました。

音質の違い

XLR比較

XLR+プリアンプ

USB

今回の比較では、TANK3の方がクリアで、声の輪郭がはっきり出るように感じました。

一方のK688は、TANK3と比べると少しこもったような印象があります。
ただ、その分だけ声に厚みがあり、少し太めで落ち着いた音です。

個人的には、K688の方がいわゆるダイナミックマイクらしい音に感じました。

TANK3はクリアで輪郭を出す方向、K688は少し丸みを持たせた太い音という違いです。

これは優劣というより、声質や好み、収録するコンテンツによって選び方が変わる部分だと思います。

 

K688とTANK3の出力ゲインを比較

今回は、以下の3種類の接続方法でK688とTANK3を録音しました。

  • XLR接続
  • XLR+プリアンプ
  • USB接続

さらに、それぞれ補正なしと補正ありの音声を用意しています。

XLR+補正

XLRプリアンプ+補正

USB+補正

補正ありのテストについては、K688とTANK3の聞こえる音量が同程度になるようにレベルを調整して比較しました。

テストK688TANK3
XLR・補正なし0dB0dB
XLR・補正あり+11dB+13dB
XLR+プリアンプ・補正なし0dB0dB
XLR+プリアンプ・補正あり-4dB0dB
USB・補正なし0dB0dB
USB・補正あり+4dB+11dB

比較すると、全体的にK688の方が少ない補正量でTANK3と同程度の音量まで持ち上げられました。

特に差が大きかったのがUSB接続です。

K688は+4dBの補正だったのに対し、TANK3では+11dBまで持ち上げています。

今回の収録環境では、USB接続時はK688の方がゲインを取りやすいという結果になりました。

また、XLR+プリアンプではK688を-4dB下げることでTANK3と同程度の音量になっています。

音質だけでなく、必要なゲイン量についても2機種には違いがありました。

補足
ここで記載しているdB値は、マイク自体の最大出力を測定した数値ではありません。
今回の録音環境で、2本のマイクが同程度の音量に聞こえるよう編集時に調整した数値です。

 

ポップノイズはK688の方が抑えやすい

TANK3を使用していて個人的に気になるのが、ポップノイズです。

口との距離や角度にもよりますが、TANK3は別体のポップガードを追加した方が安定して使いやすいと感じています。

対してK688は最初から風防が取り付けられています。

今回試した範囲では、この風防だけでもある程度ポップノイズを抑えている印象でした。

もちろん完全になくなるわけではありませんが、通常のナレーション収録であれば、別体のポップガードを追加せずに使える場面も多そうです。

マイク周辺をシンプルにできるため、取り回しの良さではK688にメリットがあります。

K688とTANK3の違いをまとめる

K688TANK3
音の傾向太め・落ち着いた印象クリア・輪郭が出やすい
ゲイン比較的取りやすいK688より多めに必要
USB接続時今回の比較では音量を取りやすいK688より出力が小さめ
ポップノイズ付属風防で抑えやすいポップガード併用がおすすめ
接続USB / XLRUSB / XLR

 

まとめ|K688はUSBでも扱いやすいダイナミックマイク

K688とTANK3を比較してみると、同じFIFINEのUSB/XLR対応ダイナミックマイクでもかなり性格が違いました。

音のクリアさや声の輪郭については、個人的にはTANK3の方が好みです。

一方でK688は、少し太めで落ち着いた音になり、USB接続時でもゲインを取りやすいというメリットがありました。

風防も最初から装着されており、今回の収録ではポップノイズもある程度抑えられています。

USBでPCやiPhoneへ直接接続でき、必要になればXLR環境へ移行できることを考えると、K688はかなり扱いやすいダイナミックマイクです。

発売は2022年8月と新しい製品ではありませんが、USB/XLR両対応で使い方の幅が広く、現在でも十分選択肢に入るモデルだと感じました。