Saramonicから発売された「MS1」は、ショットガンマイクのような形状をしながら、正面の音だけでなく周辺の環境音まで同時に収録できるマイクです。実際に使ってみると、一般的なショットガンマイクとは録れる音の印象がかなり違いました。この記事では、ショットガンマイクとの撮り比べを交えながら、正面の音と環境音を同時収録できるMS1の特徴や、実際に使って気になったポイントまで紹介します。

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Saramonic MS1とは?

Saramonic MS1を簡単に説明すると、ショットガンマイクとステレオマイクの特徴を組み合わせたようなマイクです。

一般的なショットガンマイクは、マイクを向けた正面方向の音を中心に収録します。

一方のMS1は、正面の音に加えて、左右から入ってくる周辺の環境音も一緒に収録できます。

MS1の大きな特徴
正面の音と周辺の環境音を、それぞれ別のチャンネルとして収録できます。

撮影時にすべての音を完成形にする必要がなく、編集時に正面の音と環境音のバランスを調整できるのがポイントです。

実際にショットガンマイクとMS1を同じ環境で録り比べると、MS1では被写体の音だけでなく、周囲の音もしっかり入っていることが分かりました。

正面の音と環境音を編集時に調整できる

MS1で便利だったのが、正面の音と環境音のバランスを撮影後に調整できることです。

たとえば被写体の声や動作音を中心に聞かせながら、必要に応じて周囲の空気感を足すといった編集ができます。

ワンオペ撮影では、被写体用と環境音用に複数のマイクを設置するのは手間がかかります。

1台でまとめて収録できるMS1は、撮影時の負担を減らせるマイクだと感じました。

3つの収録モード

MS1の根元部分にはモードスイッチがあり、3種類の録音モードを切り替えられます。

モード収録内容
MSモードCH1にミッドマイク、CH2にサイドマイクを記録
Mモードミッドマイクのみを使用
Sモードサイドマイクのみを使用

実際に同じ場所で3つのモードを切り替えながら録音すると、それぞれ収録される音の違いを確認できました。

MモードとSモードはモノラル収録

ここで注意したいのが、MモードとSモードはモノラルで記録されることです。

Mモードは正面の音を中心に収録するため、個人的にはモノラルでも大きな問題は感じませんでした。

一方で少し気になったのがSモードです。

Sモードは左右から入ってくる環境音を収録するモードなので、左右を分けたステレオとして記録できる仕様であれば、さらに使いやすかったと思います。

スマホアプリから指向性を調整できる

MS1には、スマートフォン用アプリと組み合わせて使える機能もあります。接続方法はシンプルで、アプリをインストールしたスマートフォンとMS1をUSBで接続します。アプリからはマイクの入力ゲインを調整できます。

さらにMSモードで設定をLRに変更すると、指向性を50度から140度まで調整可能です。

50度と140度で音を比較

実際に50度と140度で録り比べたところ、50度では正面の音が少し強調されたように感じました。さらに横方向から音を出して比較すると、50度のほうがサイドから入ってくる音が若干小さくなっているようにも感じます。ただし、ショットガンマイクのように正面の音だけを狙うというより、
ミッドマイクとサイドマイクのバランスを変えることで、正面の音を強調したり、周辺の環境音を多めに取り込んだりする設定
という印象でした。

MS1本体の特徴

コンパクトなショットガンタイプ

MS1は、ショットガンタイプのマイクとしては比較的コンパクトです。マイクの長さは指向性にも影響するため、単純に短ければ良いわけではありません。ただ、カメラの上に載せて一緒に使うことを考えると、この小振りなサイズはセッティングしやすいと感じました。

付属ショックマウントはホットシューとの相性に注意

一方で、注意したいのが付属のショックマウントです。コールドシューへ差し込む部分がわずかに大きいようで、使用するカメラによってはホットシューへうまく入らないことがありました。

注意点
リグなどに搭載されたコールドシューには装着できましたが、カメラのホットシューへ直接取り付けたい場合は確認が必要です。

できれば、カメラのホットシューにも問題なく取り付けられるサイズにしてもらえると、より扱いやすかったと思います。

3種類の接続方式に対応

MS1は、3.5mm、XLR、USBの3種類の接続方法に対応しています。

  • 3.5mm:一般的なカメラのマイク端子へ接続
  • XLR:XLRケーブルを使って音声機器へ接続
  • USB:スマートフォンやPCと接続

カメラ用だけでなく、スマートフォンやPC用のマイクとしても使えるため、接続方法の選択肢はかなり多くなっています。

背面の赤いキャップは外れやすい

カメラに取り付けて使っていて少し気になったのが、後ろ側に付いている赤いキャップです。シリコン製で押し込んで固定する構造のため、何かに当たると外れやすいと感じました。持ち運びや撮影中の紛失を考えると、ねじ込み式など、もう少し外れにくい構造だと安心して使えたと思います。

バッテリーと操作方法

MS1はバッテリー内蔵式で、USB-Cから充電します。バッテリー駆動時間は最大5時間。
電源ボタンを長押しすると起動し、あとは使用したい録音モードを選ぶというシンプルな操作方法です。長時間の撮影で使用する場合は、途中での充電や使用時間を意識しておいたほうが良いでしょう。

ローカット機能も搭載

MS1にはローカット機能も搭載されています。低い周波数の音を抑える機能で、エアコンの稼働音など低域のノイズが気になる状況で使用できます。実際にエアコンを動かした状態で、ローカットのオンとオフを比較しました。

付属品

MS1は付属品もかなり充実しています。

  • MS1本体
  • ショックマウント
  • フォームタイプのウインドシールド
  • ファータイプのウインドシールド
  • キャリングケース
  • マウントアダプター
  • USB-Cケーブル
  • XLRケーブル
  • Lightning to USB-Cケーブル
  • 3.5mm TRSケーブル
  • TRRS変換ケーブル
  • 変換ネジ2種類
  • 六角レンチ

カメラだけでなく、スマートフォンやXLR対応機器など複数の接続方法を試せるケーブルが最初から揃っています。

ウインドシールドの効果を比較

付属するウインドシールドは、フォームタイプとファータイプの2種類です。そこで、
ウインドシールドなし・フォームタイプ・ファータイプ
の3パターンで、風に対する効果も比較しました。

Saramonic MS1を使って感じた良かった点

  • 正面の音と周辺の環境音を同時に収録できる
  • MSモードなら撮影後にそれぞれのバランスを調整できる
  • 1台で被写体の音と環境音をまとめて録れる
  • 比較的コンパクトでカメラに載せやすい
  • 3.5mm・XLR・USBの3種類の接続方法に対応
  • 付属品が充実している

使っていて気になった点

  • Sモードがステレオではなくモノラル収録
  • 付属ショックマウントがカメラのホットシューに入りにくい場合がある
  • 背面の赤いシリコンキャップが外れやすい
  • バッテリー駆動時間は最大5時間なので長時間撮影では注意が必要

Saramonic MS1はこんな人に向いている

実際に使ってみて、特に相性が良いと感じたのは、1人で撮影から音声収録まで行うワンオペ撮影です。

被写体の音をしっかり残したい一方で、その場所の雰囲気が伝わる環境音も欲しい。

そうした場面で、それぞれ別のマイクを用意することなく、1台で同時に収録できるのがMS1の強みです。

一方、周囲の音をできるだけ入れず、正面の特定の音だけを狙いたい場合は、一般的なショットガンマイクとは性格が異なります。

「環境音を排除するマイク」ではなく、「正面の音と環境音を両方残して後から活用できるマイク」と考えると、MS1の特徴が分かりやすいと思います。

まとめ|正面の音と環境音を1台で収録できるマイク

今回はSaramonic MS1を紹介しました。

ショットガンタイプのように正面の狙った音を収録しながら、同時に周辺の環境音も残しておき、編集時にあとからバランスを調整できる。

このMSモードを活用した収録方法が、MS1の一番面白いところです。

特にワンオペ撮影では、被写体用と環境音用に複数のマイクを用意するのが難しい場面もあります。

そうした撮影で、1台でまとめて収録できるMS1は面白い選択肢だと感じました。