※本記事はZeniko様より製品提供を受けて作成しています。
私は普段、動画制作が中心で、使用するライトはほぼ定常光ばかり。
写真用ストロボとは長らく縁のない生活を送ってきました。
昔、一眼レフを使っていた頃に外付けストロボを少し触ったものの、完全オート任せで、マニュアル設定は一度も経験なし。
そのまま動画制作に専念していたため、ストロボの世界はすっかり遠い存在に。
そんな私が今回、Zeniko ZA12というミニフラッシュを使ってみることに。
「マニュアル設定って難しそう…」「定常光と何が違うの?」という半信半疑の状態から、実際に使ってわかったことを正直にレビューしていきます。
Zeniko ZA12とは?

Zeniko ZA12は、キセノンフラッシュチューブとフレネルレンズを組み合わせた光学システムを搭載した、小型のミニフラッシュです。
- 超高速リサイクルタイム:0.1〜2.5秒
- 接点:シングルピン(シャッター同期のみ)
- 対応カメラ:Canon / Nikon / Sony / Panasonic など主要メーカー
- コンパクトで持ち運びしやすいサイズ
互換性について

ZA12 はシングルピン接点のため、ホットシュー(電気接点あり)が搭載されているカメラなら基本的に使用できます。
ただし、LUMIX S9 のようにコールドシュー(接点なし)のカメラでは使用不可です。
また、TTL(自動調光)や HSS(ハイスピードシンクロ)には非対応のため、特殊なシンクロ撮影を行いたい場合は適合しません。
あくまでシンプルなマニュアルストロボとして使う前提になります。
【開封レビュー】第一印象とセットアップ
パッケージを開けて

箱を開けて最初に感じたのは「思ったより小さい!」という印象。
手のひらサイズで、カメラバッグのポケットにも余裕で入るコンパクトさです。
付属品

キャップタイプのディフューザーが付属しており、光を柔らかくしたい場面で活躍します。
充電用のUSBケーブルと持ち運び用のポーチもセットになっています。
質感・ビルドクオリティ

外装はプラスチックと金属のハイブリットです。
安っぽさはなく、軽さと適度な剛性感のバランスが良い仕上がり。
小型ライトにありがちな“おもちゃ感”はありません。
カメラへの取り付け

ホットシューへスライドして固定するだけの簡単設計。

特別な工具も不要で、初心者でも迷わずセットできます。

【初心者目線】使い始めて気づいたこと
設定の難易度

「ストロボ=難しそう」というイメージがありましたが、ZA12は非常にシンプル。
基本的な操作は以下の3ステップのみ。
- 電源ON
- 光量を調整
- シャッターを切る
実は ZA12 には 半自動モードもあり、ISO 感度と絞り値を入力するとストロボ側が自動で発光量を調整してくれる仕組みが搭載されています。
ただ、実際に使ってみた感触としては、半自動だと露出がけっこう安定せず、シーンによってバラつきが出る印象がありました。
結局のところ、明るさが読みやすい マニュアル設定のほうが使いやすい と感じました。
リサイクルタイムの速さ

公式スペック通り、連続撮影してもほとんど待つことがありません。
テンポ良く撮影できるのは非常に快適です。
実際に各光量で計測したリチャージ(リサイクル)時間の目安は次の通りです:
- 1/64・1/32・1/16:即時発光(待ち時間ほぼゼロ)
- 1/8:0.5〜1秒
- 1/4:1〜2秒
- 1/2:2〜3秒
- 1/1(フル):3〜4秒
小型ストロボとしては十分優秀で、特に1/8以下の光量なら実質ノンストレスで運用できます。
光量調整の使い分け

ss1/250 F10 iso3200 ストロボ1/64

ss1/250 F10 iso50 ストロボFULL
実際に被写体の露出をあわせて、最大光量と最小光量で撮り比べてみました。
光量としては6段分の差になっています。
動画クリエイター視点の率直な感想

使ってみて、まず一番驚いたのは 光量の強さ でした。
これだけ小さなボディから、ここまで明るい光が出せるというのは正直想像していませんでした。
動画の世界だと「大光量=それなりのサイズのライトが必要」という常識があるので、ストロボを使った瞬間に「え、こんな小型でいいの?」と、かなり初歩的ではありますが衝撃を受けました。
まさにストロボの本質的な強みを目の当たりにした感覚です。

一方で、やはり 発光前に露出がわからない という点は動画ライトに慣れている身としては大きなハードルです。
露出の読みが難しく、さらに マニュアルで全て設定しなければいけない ため、一発で完璧に合わせるのは正直なところなかなか難しいと感じました。
今回の ZA12 は半自動モードもありますが、露出が安定しにくい印象があり、実用面ではマニュアル前提。
それを考えると、本格的な人物撮影や現場での速いテンポの撮影を考えると、やはり TTL(自動調光)対応のストロボのほうが楽で、失敗が少ない のは間違いありません。
このストロボの立ち位置について

使ってみて感じたのは、ZA12 はガチガチのプロ用ストロボというより、「気軽にフラッシュ写真の質感を楽しむためのコンパクトストロボ」というポジションだということです。
TTL や HSS などの高機能はあえて削って、その分コンパクトさとシンプルさに振っている印象。
細かなカスタマイズよりも、「撮っていて楽しいか」「持ち出したくなるか」に振り切ったような性格のストロボだと思います。
特に、レトロなフラッシュ写真や、いわゆる“エモい”トーンの写真が好きな方にはかなりハマるキャラクターです。
ディフューザー
このストロボにはディヒューザーが付属していたのでその効果もためしてみることに。
ディフューザーあり / なしの比較

↑ディフューザーなし

↑ディフューザーあり
ディフューザーを付けると、直射よりもハイライトのトゲトゲしさが抑えられ、影の輪郭も少しやわらかくなります。

↑ディフューザーあり (1段ストロボの光量を上げた)
その代わり、光量はわずかに落ちるので、必要に応じて光量を一段上げるとちょうど良いバランスになりました。
暗い場所での撮影

暗所では ZA12 の強みがはっきり出ます。

ISO をそこまで上げなくても、被写体をしっかり明るく写すことができるので、ノイズを抑えたまま撮影したいときにかなり重宝しました。
【作例】写ルンですレンズとの組み合わせ

自作の写ルンですレンズと組み合わせてみたところ、これがかなり相性良しでした。
写ルンですレンズ特有のやわらかい描写に、ストロボのパキッとした光が加わることで、トイカメラ寄りのレトロな雰囲気が強調されます。

定常光だけだと全体がフワッとしすぎる場面でも、ストロボを使うことで「ほどよく締まる」感じが出てくれるので、エモい写真が好きな方にはぜひ試してほしい組み合わせです。

良かった点・気になった点
良かった点 ⭕

- 小型ボディからは想像以上の光量が出る
- リサイクルタイムが速く、1/8以下ならほぼノンストレス
- 軽量コンパクトで、カメラバッグに常備しやすい
- 操作系がシンプルで、ストロボ初心者でも迷いにくい
- ディフューザーが標準で付属している
- 価格を考えると全体的にコスパが良い
気になった点 ⚠️

- 発光方向が正面固定で、本格的なバウンス撮影には不向き
- 軍艦部が盛り上がってないカメラで大きめのレンズを付けると、レンズが影を落とすレンズシャドウが出る可能性がある。
一応LUMIXS5ⅡとGH6で撮影してみましたが、標準ズームぐらいであれば伸ばしてもレンズシャドウはでていませんでした。

LUMIX S5Ⅱにつけた様子。レンズは24-105mmF4の望遠端でもレンズシャドウは出なかった

LUMIX GH6につけた様子。レンズは12-60mmF2.8-4の望遠端までのばしてもレンズシャドウは出なかった。
次期モデルで、せめて上方向だけでも発光部をチルトできるようになると、使い勝手は一気に上がりそうだと感じました。
まとめ:こんな人におすすめ

実際に使ってみて、「これはこういう人に刺さるストロボだな」と感じたポイントをまとめると、次のようなイメージになります。
「Zeniko ZA12 ミニフラッシュ」を使ってもらいたい人
ストロボ初心者
軽量ストロボを探している人
レトロ・エモい表現が好きな人
製品情報

最後に、ZA12 の基本情報をまとめておきます。














こんにちは!