NIKCollection入門: 初心者が気をつけるべき操作ガイド

前回の記事では、NIKCollectionがどんなプラグインかを簡単に紹介しました。今回は、初めて使う方がつまずきやすい操作方法を解説します。これは実際に私が体験したポイントをまとめたもので、チャプターごとに分けて説明しているので、気になる部分だけを抽出してご覧ください。
今回は「Color Efex」を例に操作方法を解説していきます。この操作に慣れることで、他のプラグインもスムーズに使えるようになります。さらに、操作解説に集中するため、今回はJPEG素材を使用して進めます。
NIKCollectionとは
NIKCollectionとは?
動画でも紹介しています。
画像の読み込み

まずは、画像を読み込む手順について解説します。
NIKCollectionでは、画像の読み込みをドラッグ&ドロップで簡単に行えます。
ショートカットキーにも対応しているため、自分にとって使いやすい方法を選んでください。
ただし、NIKCollectionでは複数の画像を一度に読み込むことはできません。
そこは注意してください。
プリセットの使い方

突然ですが、プリセットとはなんだろう…という方もいるかもしれません。
NIKCollectionのプリセットは、一般的に言うと「フィルター」に近い構造を持ち、通常は一つ適用するだけで大きく画像の雰囲気が変化します。
プリセットのカテゴリ分類

画面左側に表示されるプリセットは、上部の「カテゴリ」欄から選択できます。「NIKすべて」を選ぶと、すべてのプリセットが表示されます。
カテゴリごとに分類されており、あなたの好みのカテゴリに星マークを付けてお気に入り登録を行うことも可能です。
これはカテゴリ内の個別のプリセットでも使用できます。
お気に入りに登録したプリセットは、「NIKすべて」から「お気に入り」を選ぶことで便利に表示されます。
フィルターの機能解説
プリセットに縦切りに関係するのが「フィルター」です。
プリセットとフィルターの違い

一見、プリセットもフィルターも似たような意味に解釈されることがあります。
NIKCollectionの場合、
「プリセット」は一般的なフィルターの役割を担っており、それを構成している個別の要素が「フィルター」に対応しています。

例えば、プリセットを選ぶと、画面左側にフィルターのリストが表示されます。
ここで黄色い線が入っているフィルターが、選んだプリセットに含まれている構成要素です。
フィルターの調整法

フィルターの設定項目は左側のリスト内に配置されています。
個々の調整項目にはチェックボックスが付いているため、クリックするだけで「オン」「オフ」の切り替えが可能です。
これにより、個別の効果が画像に不幸な影響を与えないかどうかをテストできます。
その下には、フィルターごとに異なる調整項目が並んでおり、ここでさらに精密な調整が可能です。
調整した値をダブルクリックすることで初期化できるのも便利なポイントです。
マスク処理
次はフィルター項目の下にあるアイコン、マスク処理について説明します。
円形マスク

まず、一番左にあるのが「円形マスク」です。
円形の範囲で効果を調整することができますが、ポイントを掴んでドラッグすると楕円形にすることも可能です。
さらに、右のメニューに表示される「輝度」「クロミナンス」「拡散」の項目を使うと、マスクがかかる部分の調整ができます。
また、マスクごとに濃度を細かく設定できるのも特徴です。

NIKCollectionでは、マスクの中心に表示されるツリー部分のパラメーターを使ってマスクの調整が可能です。
複数のマスクを使うときは、このツリーを使うと管理がしやすいかもしれません。
ツリーが邪魔に感じた場合は、メニューで非表示にすることもできます。
コントロールポイント

マスクを使って部分処理をすると、「コントロールポイント」が追加されます。
このコントロールポイントは、マスクごとに個別で追加され、マスクごとに「表示・非表示」や「効果のオン・オフ」を設定することもできます。

複数のマスクを使用し全体を確認したいときは、フィルター名の横にあるアイコンをクリックすると、この画像に適用されているマスク範囲をすべて表示できます。

また、「三本線のアイコン」を開くと、マスク情報を残したままフィルターをリセットするか、マスクごとリセットするか、作成したマスク部分をコピーして他のフィルターに適用することも可能です。
「三本線アイコン」の右にある「バツマーク」ではフィルターを削除できます。
その隣の「矢印アイコン」を使うと、開いているパラメーターを閉じることができ、調整中のパラメーター以外を閉じておくと作業がスムーズです。
これで、マスク処理の基本的な項目についてはほぼ網羅しました。
コントロールライン

左から2番目にあるのが「コントロールライン」です。
この機能では線状にマスクを掛けることができます。黄色い丸が基準の位置となり、白い丸を操作することで角度やグラデーション具合を調整することができます。
ポリゴンツール

3番目が「ポリゴンツール」です。
円形や線形のマスクではうまく範囲指定ができないときに便利です。
最初にクリックした場所を起点に、クリックを重ねるごとにポイントが追加され、自由な形状を作ることができます。
最後に起点に戻ることで範囲選択が完成します。
明度マスク

最後に「明度マスク」です。
これは明るさを基準にマスクをかける機能で、ハイライト部分やシャドウ部分だけを調整したいときに非常に有効です。
以上がフィルター項目の使い方になります。
マスク処理の仕組みは最初は少しわかりにくいかもしれませんが、ルールを理解してくると、それほど難しくないと感じられるようになると思います。
フィルター

さて、もう一度画面左に戻りましょう。
さっきはプリセットからフィルターを開きましたが、プリセットを使わずにフィルターだけで編集することもできます。
以前の動画でお話しした「NIKCollectionの使う順番」の中で、Color Efex内にVIVEZAがあるという話をしましたよね?そのVIVEZAも、このフィルター項目に内蔵されています。

カテゴリーやプリセットと同じように、フィルターもお気に入り登録が可能です。よく使う項目は登録しておくと、編集がさらにスムーズになります。
新しいフィルターを追加したいときは、左側の「プラスマーク」を押すだけでOKです。追加したフィルターは、右側のフィルター欄にどんどん表示されていきます。
ただし、フィルターは下に行くほど処理の順番が後回しになります。つまり、フィルターの順番を変えると全体の効果が変わることもあります。

順番を変えたいときは、フィルターのチェックマークの横にある「三つの点」の部分を掴んでドラッグすれば簡単に入れ替えができます。

もし好みのフィルターの組み合わせが完成したら、右下の「プリセットを保存」のボタンを押すだけで、自分専用のプリセットとして保存が可能です。
保存したプリセットは、カテゴリーの「パーソナル」または「カスタム」の欄に自動的に保存されます。
この保存したプリセットは他の画像にも簡単に適用できるので、編集の効率が一気にアップします。
過去を振り返る

NIKCollectionには編集の履歴を振り返る機能も実装されています。
画面左側を見ると「ヒストリー」という項目があります。
これは自分が写真編集をした項目履歴が表示されており、過去の編集内容と比べるときにとても便利です。
あるフィルターを適用してから気に入らなくなった場合、その前の状態に戻すのも簡単です。
上部のアイコンで見比べることもできますが、ヒストリーは編集途中のものと見比べることができるので、編集過程を振り返るときにも役立ちます。
上部のアイコン
比較

最後に紹介するのが上部のアイコンです。比較で使うアイコンが3つあります。
- 押したときだけ元の画像が見えるモード。 編集した内容と元の画像を瞬時に比較できるので便利です。
- ラインを動かしながら比較できるモード。 このモードでは比較のラインを自由に動かして細かい違いを確認できます。
- 左右または上下に並べて比較するモード。 編集途中の画像を並べて比較したいときに役立ちます。
ズーム

続いてズーム機能です。
画像全体を表示させるボタン、写真の短辺を目一杯表示させるボタン、そして等倍表示ボタンもあります。
さらに、好きな倍率に変えるプルダウンメニューも搭載されているので、必要なズームレベルに合わせて調整が可能です。
エクスポート

そのまま右に進むと、クイックエクスポートのボタンがあります。
このクイックエクスポートは今の状態をすぐに書き出しておきたいときに便利で、現在編集中のフォルダ内にTiff形式で書き出されます。
Jpegで書き出したい場合は、上部メニューバーから「ファイル」→「エクスポート形式」と進み、Jpegを選ぶことで出力できます。ただし、クイックエクスポートに関してはTiffのみの書き出しとなっています。
切り替え
一番右上にあるのが、他のNIKCollectionに切り替えるボタンです。
このボタンを使うと、他のNIKCollectionに切り替えることができますが、切り替えた際には現在の編集内容が上書きされていきます。
前回の動画でも触れましたが、複数のプラグインを使う際には、使用する順番を意識することが重要です。プラグインを意図した順番で適用することで、編集作業をよりスムーズに進めることができると思います。
これでNIKCollectionの操作画面の説明は以上です。