CANON New FD 35-70mm F3.5-4.5ってどんなレンズ?
今回はキャノンのFD35-70mm F3.5-4.5のレンズを使ってみたのでその感想をまとめてみたいとおもいます。
一言でいうとこのレンズ。
パッとしないレンズでした。
もともとは1984年にCANONから発売されたT70というカメラのキットレンズだったようです。
T70というカメラはCANONが比較的簡単に撮れることを重視して作ったカメラのようで、
その時代背景を知るとこのレンズのスペックが腑に落ちる気もします。
レンズの性格をみてみよう!
色の出方
それでは早速このレンズで撮った写真を御覧ください。
ボディはLUMIXのS9を使っています。
私の第一印象は、なんか色がニコンぽいぞと思いました。
あまりニコンに詳しいわけでないのでイメージでしかないですが、
私が思っていたCANONの色味と少し違う気がしました。
全体的に何となく、うっすらグレーがかってるような感じ。
この質感は、金属系の被写体との相性がいいかもしれません。
開放でのピント性能
↑70mm開放
↑70mmで一段絞った場合
オールドレンズだと差が出やすい、絞りの変化による写りの違いですが、
このレンズも開放の場合、ピント面は少し甘くなるようです。
ここはオールドレンズらしく、1段絞ることで、ぐっとシャープになりました。
周辺減光
↑35mm開放
↑35mmで一段絞った場合
同じく開放で使った場合に気になるのが周辺減光。
35mmと50mmでは、開放で少し減光されているのがわかりました。
これも一段絞ることでだいぶ改善されました。
↑50mm開放
70mmの場合は開放で撮影しても周辺減光はあまり感じられなかったので、
テレ端では周辺減光は気にしなくていいレベルかと思います。
個人的にはピントの甘さと周辺減光はオールドレンズの魅力の一つだと思うので、
活用することのほうが多いですが、少し絞ることで十分な解像感は得られると思います。
フォーカスブリージング
オールドレンズにこの性能を求めることはあまりないですが、少し意外だったのがフォーカスブリージング。
大体古いレンズを使うとピントの移動で出るフォーカスブリージングが大きいイメージがありましたが、
約40年ほど前のレンズにしては少ない印象でした。
(わかるぐらい出て入るんですけどね・・・・撮影中は気になりませんでしたが帰って編集すると気になりました。笑)
大きなフォーカス移動は無理かもしれませんが近距離の移動なら耐えられそうなので
このレンズを動画でも使いたいユーザーにはありがたいかな?
ズームしてもピントが移動しない?
もう一点便利だったのが、ズームしてもピント位置が変わらないことでした。
厳密に言うと少し動いてそうな気もしますが、暗いレンズということもありピント位置が大きく変わる印象はありませんでした。
↓35mm開放からズーム
↓70mmへ(フォーカスは触らず)
動画撮影の場合、ズームしてもピントが変わらないのというは、撮影に必要な動作一つが減るので使いやすさに直結すると思います。
フレアとゴースト
オールドレンズだと楽しみたくなるのが、フレアやゴーストですがこのレンズでも試してみたいとおもいます。
こちらは、太陽に向けて撮影したものですが、どの焦点距離でもゴーストが出ています。
焦点距離を変えたり、絞ったりしてみてもゴーストが完全に消えることはなかったので、ゴーストを入れたいシーンではどの絞りどの焦点距離でも楽しめるとおもいます。
総括
私の第一印象は、特段目立った性能もなく、平平凡凡なスペックのレンズ。
焦点距離も35-70という広くもなく望遠でもない画角で少し物足りない。
写りに関してもそこまで個性があるわけでもないし。
そんなイメージのレンズでしたが、実際につかってみたり歴史を知ってみると、見方が少し変わりました。
個性は無いですが、逆に言うとしっかりきっちり撮ってくれるレンズだと思います。
簡単に撮影できることを目的としたT70のボディにはちょうどいいスペックだったのかもしれません。
こういった時代背景も知りながら使う楽しみを教えてくれたのがこのレンズでした。