今回は普段私が使用しているナレーション環境を紹介したいとおもいます。
「今までの収録環境と問題点」
現在使っているマイクは、marantzから販売されてる、
MPM-4000UというUSB接続可能なコンデンサーマイクです。
収録環境は決して良いものではないですが、少しでも反響を抑えるためにカーテンに向かって録音しています。
はじめてのナレーションにこのマイクを選んだ理由は、パソコンに直接接続可能なコンデンサーマイクということだけでした。
動画は映像より音声、と言われるほど音声は大事なので、
どうせなら少しでも高音質で撮ってみたいと思い、それならコンデンサーマイクというやつがいいらしい!ということで安易に決定しました。
コンデンサーマイクの問題点
基本性能は満足していたものの、使っていくうちに2つほど課題が見つかりました。
それが、感度が良すぎることと、ホワイトノイズが聞こえること。
ホワイトノイズに関しては、編集で消すことができるのでそこまで気になりませんでしたが、
コンデンサーマイクならではの感度の高さは、
部屋の外音まで拾うこともあり、外で大きな音がする場合は撮り直したり、時間をずらすなど調整する必要がありました。
そこで、周辺の音の影響を受けにくいダイナミックマイクに変えることで、
この問題が解消されるのではないか検証したいと思います。
TANK3と4000UをUSB接続で比較
音質の違い
早速両者の音を聴き比べてください。
Tank3は少し声が太くなる感じがして、DJっぽい雰囲気があります。
4000UはTank3と比べるとフラットに聞こえナチュラルなナレーションに聞こえました。
ホワイトノイズの違い
ホワイトノイズに関しては4000Uは常時うっすら入っており、静かにすると目立ちますが、TANK3はホワイトノイズが強くは入っていないように感じました。
ただホワイトノイズは編集でノイズ除去をかけることでだいぶ消すことができるので、
私として気にしていませんが、厳密にいうと音質としては少し劣化していると思います。
4000Uの音声にノイズ除去をかけたものがこちら。
環境ノイズ耐性
環境ノイズを同じ状況で比べるのが難しいので、スピーカーで環境音を実際に聞こえるぐらいの音量を流しながら聴き比べて見たいと思います。
比べてみるとやはりダイナミックマイクのTank3のほうがコンデンサーマイクの4000Uより周辺の音拾っていないことがわかるかと思います。
私のような、周辺環境に影響を受けやすい収録環境の場合、ダイナミックマイクのほうが使いやすさにおいて軍配が上がると思います。
TANK3の詳細
TANK3の魅力がわかったところで、マイクの詳細をみてみたいとおもいます。
付属しているのはマイク本体とUSBC-Aのケーブルというシンプル構成でした。
マイクにはスタンドが付属していないのでここは別途用意する必要があります。
このマイクが集音する部分は上部になっています。
内部にはポップガードが搭載されているようなのでこのままでも使えるのは嬉しいポイントでした。
実際使用してみると、流石にかなり口元に近くで収録する場合は、ポップノイズが入ってしまうのでポップガードを更に追加するとより安心して収録できるかもしれません。
下部に接続端子が集結しています。
USB-C端子、XLR端子、イヤホン端子が搭載されています。
側面にミュートボタンとノブが2つあり、マイクの入力の調整とイヤホン端子からの出力の調整が可能です。
このイヤホン端子は、マイクで録音中もモニタリングが可能になっていました。
カメラへ直接収録可能
これが個人的には、ここが結構嬉しいポイントで、
ここからカメラのマイク端子につなぐことで直接収録可能になるんです。
カメラへの直接収録する場合はホワイトノイズが乗りやすかったので、
カメラ側のマイク入力レベルを極力下げて、マイク側の感度を上げ、イヤホン端子からの出力も上げたほうがホワイトノイズが乗りにくかったです。
USBとXLRの比較
このマイクに搭載されているXLR端子。
XLR接続することで、音質が良くなったりホワイトノイズが軽減されるという話を聞くこともあるので、XLR接続した音声も気になりました。
音質を比べやすくするために音量レベルを揃えています。
私に耳では音質の違いはわかりにくかったですが、ホワイトノイズの残り方に違いが出ました。
わかりやすいように音量をあげて聴き比べて見ると
XLR接続のほうがホワイトノイズが少ないのがわかるかとおもいます。
なおTank3はXLR端子使用時でもUSB同時に収録できるので使い方はさらに広がると思います。
同時収録時はXLR接続の音量はインターフェース側で、USB接続の音量はマイク側のノブで操作することになります。
オーディオインターフェース「 Amplitank SC1」
XLR接続の優位性はわかりましたが、
XLR接続の場合、直接PCへの接続はできないので、オーディオインターフェースというアナログ信号をデジタル信号に変える機械が必要になります。
今回使ったのは、同じFIFINEから発売されている Amplitank SC1 というオーディオインターフェース。
比較的入門向けのモデルなようですが、一通りの機能は搭載されているようです。
「本体前面」
・6.35mmのフォン端子とXLR端子がセットになったコンボジャック
・コンデンサーマイク用の48Vファンタム電源のオンオフボタン
・楽器モード録音モード 切り替えボタン
・6.35mmのフォン入力端子
・6.35mmのヘッドフォン用出力端子
・ヘッドホン出力調整ノブ
・マイクで収録した音声をそのまま聞けるようにするダイレクトモニターのスイッチ
「背面」
・モノラル出力の6.35mmのフォンジャックが左右一つずつ
・パソコンにつなぐ用のUSB端子
「上部」
・ゲイン1の入力レベル調整
・ゲイン2の入力調整
・背面のアウトプットからの出力を調整
特にエフェクト等を付けるボタンは搭載されていないので、配信などをしたい場合は、同じくFIFINから発売されている、AMPLIGAME SC3を導入したほうがいいかもしれません。
カメラへ直接収録してみる
最後にカメラに直接収録する場合にどうすれば一番キレイに収録できるか試してみたいと思います。
「検証項目」
A ; TANK3をUSB接続し、ヘッドホン端子からカメラへ出力した場合
B ; Tank3をオーディオインターフェースにXLRで接続し、SC1のヘッドホン端子からカメラに出力した場合
C ; Tank3をオーディオインターフェースにXLRで接続し、SC1のアウトプット端子からカメラに出力した場合
カメラへの直接入力する場合の音質はそこまで違いが出ないように感じました。
ノイズの出方に違いがあり、今回の環境ではBのパターンが一番ノイズが少なかったともおもいます。
専用のドライバーがない
1点注意点として、私の用途では全く気になりませんでしたが、
このTank3は専用のドライバーが用意されていないため、Macの場合は問題なく使えましたが、Windowsでより本格的な音楽制作の場合には汎用ドライバーで対応するしかなく、使いにくく感じる方もいるようです。
ということで今回は私のナレーション環境をご紹介しました。
音質としては個人的にコンデンサーマイクが好きではありますが、それよりも外音ノイズ耐性の高さのほうが使いやすさに大きく影響するので、今後はダイナミックマイクを使うことが多くなるかと思います。